戻る

親子でスマイル!
体験レポート

2022/09/06

体験施設

9月 意外な発見!「石」について楽しく学びました。

楽しい科学体験!ワークショップ「岩石探求」に参加しました。


散歩中や公園で遊んでいると、お子さんから「どうして風が吹くの?」「この川の水はどこから流れてくるの?」と、何気なく尋ねられたことはありませんか?
普段はあまり気にかけることもない自然の特徴やなりたちについて、じっくり調べないと答えられないことが意外にあるものですよね。


そこで、科学館などで催される実験教室やワークショップに参加して、親子で自然について楽しく学んでみてはいかがでしょうか?


渋谷区の文化総合センター大和田にある「こども科学センター・ハチラボ」では、毎月ごとに設けられた様々なテーマにそってワークショップが開かれています。


今回は、小学2年生のここなちゃんが、「ひらめきワークショップ」というプログラムの8月のテーマ「岩石探求」に参加しました。

ハチ公

入り口近くでは、渋谷のシンボル、忠犬ハチ公のオブジェがお出迎えをしてくれました。


キレイで、不思議な石たち

施設内の「ひらめき工房」というガラス張りの部屋に入り、まずは指導員の先生とあいさつを交わします。
「今日は、普段よく目にする石や、いろんな岩石のなりたちについて学んでいきましょうね」


工作

席につくと、机の上に色とりどりの鉱物や岩石が並ぶ標本箱や虫眼鏡などが用意されています。
先生は簡単な説明の後、「さあ、虫眼鏡で見たり、触ったりして、気に入った標本を3つ選んでみて」と語りかけました。


石

観察

石

観察

さっそくここなちゃんは、きれいな薄ピンク色の「紅石英(べにせきえい)」と真っ黒な「黒曜石(こくようせき)」を選びました。
「黒曜石は、石器時代の人が矢の先につけたり、ナイフのような道具としてつかっていたよ」と先生が説明。


そしてもうひとつ、ここなちゃんが気に入ったのは、青みがかった「蛍石(ほたるいし)」。先生は「お目が高い!これは不思議な鉱物なんだよ」と言いながら、ブラックライト(紫外線を出す照明器具)で標本を照らしました。

ブラックライト

「うわあ、光った!」ここなちゃんも思わず驚きの声。
「蛍石に含まれている不純物が紫外線を反射することで、このように青紫色に光るんだよ」という先生の解説に、ここなちゃんはどんどん引き込まれているようでした。


石はどこから?

先生は解説を続けます。「実は、この標本箱にある鉱物のいくつかが、石の素(もと)になることもあります。では、この鉱物はどこから来たのかと言うと……」


説明

先生は、ホワイトボードに描かれた火山の絵を指し、「『マグマだまり』という、ものすごく熱い、ぐつぐつスープが煮えた大鍋のようなところがあるのですが、ここに鉱物の素も溶けています。そして鉱物の素が鍋から少し出てくると、結晶というものになります。実は、この結晶は時間が経つと大きく育っていくんですね。そして3万年くらい経つと、目の前の標本ぐらいの大きさになるんですよ」


続いて先生は、灰色の石をここなちゃんに手渡して、「虫眼鏡で見て、何色の粒があるか教えてね」


ここなちゃんは「黒、白……それと透明な粒やオレンジっぽいのもあるかなあ」


「そう、色んな色が見えるよね。この粒が鉱物の結晶なんだよ。結晶が育たないうちに固まって地表にでてきたのがこの石。『安山岩(あんざんがん)』といってどこにでもある石です」と先生は話しながら次に黒っぽい石を手渡しました。


「これもよくある石で『玄武岩(げんぶがん)』といいます。そこに置いてある磁石に近づけてみて」

磁石

「あ、くっついた!」とここなちゃん。
先生は「ということは、この石には何が入っているのかな?」とたずねます。
「金属? 鉄?」という答えに、先生は大きくうなずきました。
「大正解。鉄分や磁鉄鉱(じてっこう)という磁気を帯びた鉱物が含まれています。この磁鉄鉱はマグマだまりにいっぱいあって、たまに火山が噴火して地表に降り注ぐこともあるんだよ。昔、富士山が何度か噴火したのですが、その影響で関東の海岸では、磁鉄鉱や様々な鉱物が混じった黒い砂や石が多く見られます」
ここなちゃんとともに、お父さんからも「へえー!」という声がもれていました。


泥や土が押しつぶされてできる石、川に流されて丸くなる石のことなども学んでいきました。中には数千万年前にプランクトンが積もってできた「チャート」という石も見せてもらいました。多摩川などの河川敷でも見つけられるそうですよ。

河川敷の石

「川辺や公園に遊びに行くとき、虫眼鏡や磁石をもっていってはいかがでしょうか。石を拾って観察し、石のなりたちについて想像を膨らませてくださいね。自然の見え方が、もっと広がるかもしれません」
という先生の言葉で「岩石探求」が締めくくられました。

他の展示も盛りだくさん。

ワークショップが終わってからも楽しみは尽きません。
こども科学センター・ハチラボでは、数ヶ月ごとにテーマがかわる体験型の展示や特別展も人気があります。ここなちゃんも試してみました。

展示

「確率」を形で表す「パスカルの三角形」の実験台。玉が転がると、中心の枠内に一番多く玉がたまり、端にいくにしたがって少なくなっていきます。とっても不思議!

装置

特別展「真夏の笑う科学展」のひとつ。音を形として見ることができる装置に夢中になりました。


ワークショップや展示の内容は、普段何気なく接しているものについて、科学的に考えるきっかけとなるものばかりです。親子で考え、話し合う機会も増えそうですね。一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?


ここなちゃん、どうだった?

とても楽しかった! 色んな石のことを教えてもらえたから、ちょっと物知りになれたかな。こんどは、川で石を観察してみたい!


お父さんはいかがでしたか?

難しい内容かなと思いましたが、標本に触ることができたり、簡単な言葉で教えていただけたので、のみこみやすかったと思います。また、ホテルや百貨店の建物などにも色んな石が使われていることもあると教えていただき、私自身も興味がわきました。親子で視野が広がるかもしれませんね。

こども科学センター・ハチラボからのメッセージ

この施設は、「渋谷の街からノーベル賞を!」という願いを込めて開設されました。低学年のお子さんから楽しめるワークショップや、科学の実験室、ロボットのプログラミング体験なども人気があります。子供の「夢」と「科学する心」を育むために、楽しい仕掛けを考えてお待ちしております。



こども科学センター・ハチラボ
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shisetsu/kosodate/hachirabo.html