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親子でスマイル!
体験レポート

2021/08/31

地域団体活動台東区

【団体活動】一般社団法人 遊心(ゆうしん)(台東区)

自然・家族・仲間を愛おしいと思う心を育む

一般社団法人 遊心(ゆうしん)(台東区)

一般社団法人 遊心(ゆうしん)(台東区)


プロフィール

代表理事 インターミディエーター 峯岸 由美子さん
アメリカの環境教育プログラム「シェアリングネイチャー」を日本に導入し、全国で活動している日本シェアリングネイチャー協会で、自然体験のインストラクターを務める峯岸さん。家族が共に過ごす身近な自然体験を通して、人間は自然の一部であることを体感するとともに、家族が自分の手で気軽に自然に触れることができる「遊心メソッド」をベースとして、2010年に遊心を設立。子育て家庭の方々に自然体験活動を提供しています。

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自然や人を愛おしいと思い心豊かな人材を育てる

-なぜこのような活動を始められたのか教えてください。


30年ぐらい前から自然学校やキャンプなどの自然体験活動を行ってきました。私自身、台東区の谷中出身で、自身の子を都会の中でどう育てるか悩んでいた時期に、これまで北海道や沖縄で行っていた自然体験活動を東京でもできないかと考えたのが、この活動を始めたきっかけです。
都会に暮らしている子育て家庭の方々は、キャンプに行ったり自然の豊かな場所に出かけたりしないと、自然に触れる機会がなかなかないと感じています。また、特に0歳から2歳ぐらいのお子さんがいる家庭では、気軽に遠方に出かけることが難しく、ものすごい子育てストレスを抱えていることがあります。親が感じる子育てのストレスを、日常的に外に遊びに行き、自然と触れ合うことで解消してほしいという想いで、「遊心」を立ち上げました。

-遊心の活動内容を教えてください。


0~2歳児向けに、五感を使った自然遊びをする自然体験イベントの実施を中心に活動しています。参加する子供たちの年齢層が低いため、1回1時間~1時間半ぐらいで行います。参加人数は平均して10~15組の親子20~30人ぐらいで、4~5人のスタッフが親子をフォローしています。
具体的には、公園で子供たちが葉っぱを触ったり、木に抱きついたりして自然を体感してもらいます。例えば、単なる虫探しではなくて、虫の足の1本1本を数えてもらったりすることで、自然を学んでもらったりします。イベントを通して自然・家族・仲間が共にいる喜びを感じてもらうことで、どんな環境であっても、自ら感じ考え行動し、自らの足で立つ「しなやかに自立する人」を育てていきたいと考え、活動をしています。
コロナ禍の前には毎週土日、年間で300回ほど実施していましたが、今は残念ながらそこまで実施できていない状況ではありますが…。

自然体験活動中の子供たち

-「遊心」メソッドについて教えてください。


ただ単に「楽しい」ではなく、生き物の生態を知ることや、自然界の成り立ちを学ぶこと、色々な環境で自然を学びに展開させていくのが「自然体験活動」です。「遊心」メソッドは、もともと環境教育のプログラムなので、こういった要素も持っていますが、0~2歳児に対して通常のプログラムのままで実施するのは難しいので、少しアレンジをしています。五感を使って自然を楽しみつつ、親がその姿を見てどう声をかけていくかをサポートするのが「遊心」メソッドの特徴です。
子供が親の言葉を受け、親とのコミュニケーションを通じてどんな表情に変わるか、それを見て親がどのような喜びを感じたり、ストレスが和らぐかなどを見ながら、親にとって子供と自然に出かけることが喜びとなるよう、スタッフが各々の親子の様子を見て、状況に応じたサポートをしながら、イベントを進めています。

自然や生き物と触れ合う親子


公園や散歩道で自然に触れ合う

-活動エリアを教えてください。


活動は、主に文京区、千代田区、台東区、荒川区のエリアが中心。メインフィールドは上野公園や日比谷公園など都市型の公園です。例えば上野公園周辺というと、美術館や動物園があるイメージだと思いますが、行ってみると、人があまり立ち入らない自然林が残っているフィールドがあって、カブトムシやカマキリなど多くの生き物が生存しているのですね。
また、公園で自然に触れ合う活動だけではなく、街中や身近な散歩道でも活動しています。都会ならではの「街パス」というコンセプトで、本郷周辺、茗荷谷周辺、上野周辺などの日常にある自然を探すプログラムを作って歩いています。


-コロナ禍での活動ですが、工夫されていることがありますか?


オンラインを活用した試みも行っていて、最近では、オンラインセミナーを開催しました。
一つは「遊セルフエイドセミナー」です。外遊び、自然遊びが子供の成長にとって良いことだとわかっていても、けがをしないか心配になったり、子供の遊び方にヒヤっとしたりなど、自然にどう触れさせればいいのかわからない親御さんも多いのではないでしょうか。そんな親子向けに、自然遊びをする上で知っておきたい注意点等、自然遊びの”わからない”を解消したいパパママ向けセミナーとして実施しました。
もう一つは「親子でおうち菜園セミナー」です。以前に親子参加の菜園活動をしていた経験を生かして、「お家のベランダでも自然に触れられるということ」を提唱し、ベランダ菜園を通して、どう子供に声をかけたら自分自身で土いじりをするようになるか、どうしたら生き物に触れられるようになるかを伝えるセミナーを実施しました。

オンラインセミナーの様子

ほかにも、対面での活動なのですが、感染予防対策を十分に講じた上で、屋上と自宅で育てた藍を使って、オリジナルマスクを作るなどの藍染め体験も行ったりしています。

親子でおうち菜園セミナー


育てた藍を使った藍染め体験

子供と大人がともに気づき、考え、行動を起こすことを大切に

-活動内容を考えるにあたって意識していることはありますか?


例えば先ほどの「街パス」は、普段生活している街の道沿いにも植物が根付き、生き物がいるなど、身近な自然に気付いてもらうための活動です。都会に住んでいる私たちが普通にイメージする自然は、電車や車に乗って行かないと出合えない自然で、街中にある雑草には気付かないかもしれません。でも、皆さんの周りにある、日常的には気付かない小さな自然に気付いてもらうことが大切だと思うため、その点を意識して活動内容を考えています。


-このプログラムに参加される方に何を感じてほしいですか?


親子で参加してもらっていますが、一番影響を受けるのは親御さんだと思います。大人は普段なかなか自然体験をする機会がありませんし、子供が自然体験をしている姿を見る機会も少ないと思うのですね。でも、普段経験していないからこその気付きや、大きなインパクトを感じることができると思っています。遊心では、親に対する教育ではなく、子供にとって親が見ているそばで自然体験をすることが重要だということを意識して活動しています。
子供から見ると親はいてほしいけど、口出しはしてほしくないなど、親が子供のそばにいた方が良い時と、いない方が良い時があるのですね。参加される方には、その辺りの加減を、体験の中で感じ取ってほしいと思っています。


-どんな時に嬉しさを感じますか?


最初は草花に触る、地面に座る、ダンゴムシに触ることなどに対して抵抗のある親子もいます。そういった親子が抵抗なく、例えば草花に触れられるようになるには、運営側がプログラムやストーリーを作り、気持ちがそこに行き着くようなサポートをしてあげる必要があります。イベントを通じて少なくともダンゴムシは触れるようになったよ、というところを目指しています。参加した親子が自然の楽しさに目覚めて、何度もイベントに参加するリピーターになり、親子の成長を間近で見られる時に、この活動をやっていて良かったと思います。

プログラムを通じて草花と触れ合う

一般社団法人 遊心(ゆうしん) ホームページ
http://www.yushin.or.jp
一般社団法人 遊心(ゆうしん) Facebook
https://www.facebook.com/yushin2010/