母乳や育児用ミルクを飲んですくすく育っていく赤ちゃん。
いずれは口にするものを、固さや量がある食べものに変えていく必要があります。
これが「離乳」ですね。
では、いつ、どんなふうに「離乳食」を始めればよいのでしょうか?
「離乳」は自分で食べることの出発点
離乳食は、赤ちゃんが食べものを噛みつぶしたり、飲み込んだりできるようになるための練習にもなります。
やがて、食べられる種類もどんどん増え、食事のタイミングなどの生活リズムが自然に身についていくもの。
さらに食事の楽しさを知ることが、お子さん自身の「食べる力」を育んでいきます。
「離乳食」を始める時期
赤ちゃんの成長には個人差があるので、様子をじっくり見てあげることが大切です。
一般的な離乳食の開始目安としては、下記が挙げられます。
・生後5〜6か月頃
・首のすわりがしっかりしている
・支えてあげると座れる
・食べものに興味を示す
・スプーンなどを口に入れても、舌で押し出すことが少なくなる
〜離乳スケジュールの目安〜
●生後5〜6か月頃
離乳食は1日1回から。開始から1か月くらいの間は、離乳食の舌ざわりや食感に慣れ、上手に飲み込めるようになることを目的とします。
赤ちゃんの様子を見ながら、1さじずつ。一方で母乳やミルクはそれまでどおり、飲みたいだけ飲ませてあげましょう。
●生後7〜8か月頃
離乳食を始めて1か月が過ぎたあたりから、舌でつぶせる固さのものを1日2回、食事のリズムをつけて。
色んな味や舌ざわりを楽しめるように、食品の種類を少しずつ増やしていくとよいです。
●生後9〜11か月頃
食事のリズムを意識して1日3回食を。食べものの固さは歯ぐきでつぶせるくらいのものを。
9か月以降は鉄分が不足しやすいので、赤身の魚や肉、レバーを取り入れて。
調理に牛乳・乳製品が必要な場合は、育児用ミルクを代用するなどの工夫をしてみましょう。
●生後12〜18か月頃
1日3回の食事リズムを保ちつつ、足りない場合はおやつを1〜2回、決めた時間に。
時々、手づかみ食べなどで、自分で楽しく食べる体験をさせてあげましょう。
形のある食べものを自分で噛みつぶして食べられるようになり、母乳や育児用ミルク以外の食べものからエネルギーや栄養素の大部分を摂れるようになれば、離乳は完了といえます。
離乳完了後は、1日3食、間食1〜2回を目安に。
乳歯が生えそろう3歳頃までに、咀(そ)しゃくする力が身に付きます。
離乳食に関する豆知識
●乳児に「はちみつ」は厳禁!
離乳が始まっても「はちみつ」には要注意。
はちみつにはポツリヌス菌が入っていることがあり、この細菌が乳児の体内に入り込むと「乳児ポツリヌス症」という病気を引き起こすおそれがあります。
1歳未満のお子さんには与えないようにしてください。
●離乳前に果汁って必要?
母乳と育児用ミルクだけで育てている時期に、離乳の始まりとして飲みやすそうな果汁を、と考えがちですが、実は果汁は栄養学的にはあまり有用とはいえないようです。
離乳前の栄養源としては母乳、育児用ミルクで十分。
乳汁以外の味やスプーンに慣れるという意味でも、果汁を与えるのは、離乳が始まってからで問題はありません
●ベビーフードも頼りになります
手作りの離乳食が理想的ですが、毎日作るのは大変ですよね。
時には市販のベビーフードも上手に織り交ぜてみましょう。
市販品を見本に離乳食の固さや舌ざわりを試したり、料理の素材として使ったりしてもよいですね。それに旅行や他の人に面倒を見てもらう時など、どうしても調理ができない時に利用する人も多いようです。
りんごの裏ごしなどの単独素材から、調理済みのクリームシチューなどまで、ベビーフードの種類は様々。水やお湯で戻すドライタイプと瓶詰めやレトルトなどのウェットタイプがあるので、状況に応じて使い分けてください。
また、月齢や離乳の進み具合で選ぶべき離乳食も変わってきます。製品の表示をよく確認して上手に利用しましょう。
お子さんによっては、どんどん食べる子、食が少し細い子、好き嫌いがはっきりしている子など、食べ方に個性が表れることも。
初めはうまくいかなくても、だんだん上手に食べられるようになりますから、焦らず、楽しい雰囲気で少しずつ離乳を進めていきましょうね。