寒さが厳しい季節になりましたね。
そんな時期、気を付けたい病気に、寒い冬に感染しやすいウイルス性の胃腸炎のひとつ「ノロウイルス感染症」があります。
今回のコラムでは、事前に感染を予防できる方法や、万一かかった時の対処法をご紹介していきます。
ノロウイルス感染症って?
ウイルスに汚染された食品を食べた場合や、ウイルス感染した人の便や吐物に触れてしまい手指を介してウイルスが口に入ってしまった場合などに感染症を引き起こす、非常に感染力の強いウイルスです。
一年を通して発症はみられますが、寒くなってくる11月くらいから発生件数は増加しはじめ、12月~翌年1月が発生のピークになる傾向があります。
厚生労働省によると、全国における令和3年度の食中毒発生状況では、ノロウイルスが原因で食中毒と診断された患者数が4,733人にのぼりました。
ノロウイルス感染症の症状
非常に感染力の強いウイルスで、感染すると12~48時間の潜伏期間の後、嘔吐(おうと)や下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。
通常は1~2日間で治り、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状で済む場合もあります。
健康な方は軽症で回復しやすいですが、子供やお年寄りなどは重症化したり、吐物を誤って気道に詰まらせ、亡くなってしまうという事例もあります。
治療法はあるの?
ノロウイルスにはワクチンはなく、治療は対処療法が基本となり、多くは数日で自然治癒します。
ただし、嘔吐が続き、脱水症状になった場合には、点滴や入院が必要なことも。
治療中に大切なことは、充分な水分補給です。できれば市販の経口補水液を少しずつ摂るようにして、脱水症状を防ぎましょう。
止しゃ薬(下痢止め薬)は、回復を遅らせることがあるので、むやみに使用しないことが望ましいとされています。
感染を予防することが大切!
感染予防には、マスクの着用と手洗いの徹底が重要です。
お子さんがかかってしまった場合、便のついたおむつは使い捨ての手袋で処理し、ビニール袋の口を縛って捨てましょう。また、衣類が嘔吐などで汚れた場合は、他の衣類と分けて、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)で浸け置き消毒した後、洗濯したほうがよいですね。
それに、症状が治まった後も安心はできません。実は、治癒後1週間はふん便中にウイルスが排泄されるといわれています。周りの人へ感染させないよう、配慮することも大切ですね。
休日診療を探せる「ひまわり」をご存じですか?
急な発症に待ったはありません。「子供が発熱、これから診てくれるところは?」「休日やっているお医者さんは?」と、とても心配になりますよね?
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医療機関案内サービス ひまわり
https://www.himawari.metro.tokyo.jp/qq13/qqport/tomintop/
年末に向けて、休診になる病院が多いので、事前にチェックしておくと安心ですね。
何かと体調を崩しやすい寒い季節、病気への備えと対処策をしっかりして、家族みんな笑顔で乗り越えましょう。
参考
東京都こども医療ガイド
https://www.guide.metro.tokyo.lg.jp/sick/kansen/index.html
厚生労働省(ノロウイルスに関するQ&A)
東京都福祉保健局(24時間医療機関案内)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/sodan/komatta/kyuubyou/24h_annai.html