季節が冬に移り変わり、冷え込む日も多くなりましたね。
全国旅行支援の制度を使って旅行へ行かれる方や、年末年始には帰省される方も多くいらっしゃると思います。
外出の際には車を利用する方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私自身も子供と一緒に車で外出することがよくあります。
6歳未満の子供と車に乗って外出する際は、チャイルドシートが必須ですが、チャイルドシートについてより知識を深めたいという思いから、チャイルドシート指導員の資格を取得し、とても勉強になりました。
今回は改めて子供の事故防止やチャイルドシートの重要性と選び方について学んだことをお伝えしたいと思います。
子供と交通事故
子供の不慮の事故死は子供の病気を含む全ての死因の中で上位となっています。
平成28年から令和2年までの調査によると、チャイルドシートやジュニアシートを使用する主な年齢の1歳から11歳までで年齢別に多い不慮の死亡事故の割合は、全ての年齢において交通事故死が最も多い結果となっていました。
チャイルドシートを適正使用した際と不使用の際の致死率を比較すると、使用しなかった場合は約5.3倍の致死率となります。
自動車同乗中の子供の命を守ることはとても重要な課題となっています。
子供の発達段階ごとの身体的特徴について
出生から1か月未満の新生児は頭部が体に比較して大きいため、背中や首が安定しません。
また、1歳未満の乳幼児も大人が7頭身ほどなのと比べると、4~5頭身ほどのため、事故の際に前方に振られやすく、チャイルドシートを前向きに装着すると体がベルトをすり抜けて放出される可能性があり、大変危険です。
そのため、新生児と乳幼児は進行方向に対して後ろ向きでの装着が原則となっています。
なお、1歳以上の幼児は進行方向に対して前向きでの装着が可能となっています。
6歳未満の子供のチャイルドシート装着は法的義務となっていますが、6歳以上の子供の場合も、身長140cm~150cmまでは、ブースターシートやジュニアシート(座面を上げて身長を補い、シートベルトの位置を子供の体格に合わせるシート)を使用した方が良いでしょう。
身長が低いと肩ベルトが顎に、腰ベルトがお腹にかかって大変危険です。
なぜチャイルドシートが必要なの?
ここで、チャイルドシートの必要性を詳しく説明します。
時速40kmでコンクリートの壁に衝突した場合、衝撃は3階から自動車を落とした時と同じになります。
体重10kgの子供を抱っこしていた場合、時速40kmで衝突した瞬間、体重の約30倍の300kgの衝撃がかかります。
車はブレーキをかければ止まることができるものの、車内にいる人は『慣性の法則』によって、前方に動き続けるため、しっかり固定されていない場合は車の中で激しくぶつかり、車外に放出されてしまいます。
毎年たくさんの子供がチャイルドシートを使用せずに車に乗って事故に遭い、重い怪我を負ったり命を落としたりしています。
大人はシートベルトの正しい装着とエアバッグで基本的には守られます。
ですが、自分自身の安全を確保することが難しい子供の自動車同乗中の安全を確保するためには、保護者が責任を持ってチャイルドシートを使用させることが必須となっています。
チャイルドシートに座ってくれない時は、チャイルドシートに座らないと車は発進しないことを伝えましょう。
嫌がる場合は、こまめに休憩を取ったり、おもちゃを持たせたり、絵本などを開いたり、一緒に歌を歌うなど、注意を他に向けさせましょう。
乗車中に食事をしていると、急ブレーキや事故の際にお菓子などは喉に詰まることもあることから、乗車中の食事は危険なので避けましょう。
口に入る小さなおもちゃも危険です。
国の安全基準への適合が確認されたチャイルドシートを使用しましょう
平成18年3月にチャイルドシートの誤った取り付けが多く見られた状況を踏まえて、シートベルトによる固定方法よりも簡単に固定できる固定方法(ISOFIX)の要件が定められ、国内のチャイルドシートの技術基準が自マークからEマークの国際基準(UN R44)に改正されました。
チャイルドシートの現行の安全基準に適合しているものには、製品にEマークが添付されています。
2012年6月30日以前に製作されたチャイルドシートには、改正前の古い基準に適合していることを示す自マークが添付されている場合があります。
この機会にお手持ちのチャイルドシートが安全基準に適合しているかチェックしてみてはいかがでしょうか。
チャイルドシートは子供の成長・体格に合ったものを使用し、チャイルドシート・車両方の取り扱い説明書をよく読み、バックル等を確実に固定しましょう。
新生児については、小さな衝撃でも頭蓋骨が変形しやすく、脳挫傷を起こしやすいため、移動は必要最小限とし、保護者が状態を見守りましょう。
チャイルドシートを正しく使用して、安全で楽しい旅や帰省の時間を過ごしましょうね。
【参考URL等】
チャイルドシート適正使用/不使用別致死率の比較(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html
子供の不慮の事故の発生傾向
~厚生労働省「人口動態調査」より~
一般財団法人 日本交通安全教育普及協会
https://www.jatras.or.jp/index.html
チャイルドシート指導員養成研修会資料
国土交通省チャイルドシートコーナー
https://www.mlit.go.jp/jidosha/child/
【筆者】香月 璃莉
会社員をしながらカワイイものを愛好し、お散歩などを楽しみながらSNSで発信する活動を行っている。2歳の子供のママ。