この時期、お子さんの鼻水が出ていると、真っ先に風邪を疑うところ。でも、お子さん自身は元気にもかかわらず、鼻水の症状だけいつになっても収まらないことってありませんか?症状が長引く場合、アレルギーなど、風邪以外の原因を疑ってみることも必要かもしれません。
今回のコラムでは、アレルギー性鼻炎の見分け方や、お子さんの鼻水の対処法についてご紹介します。
アレルギー性鼻炎って?
アレルギー性鼻炎は、通年性と季節性の2つに分けられます。
通年性アレルギーは、名前のとおり、年中通して症状が現れます。原因はダニ、ハウスダストやペットなどであることが多いです。
一方、季節性アレルギーは、特定の季節に限って症状が現れます。いわゆる花粉症です。日本においてはスギ花粉が原因であることが多いですね。ただ、乳児のうちに花粉症が発症することは、ほとんどないそうです。スギ花粉の飛散時季に小さなお子さんの鼻水が止まらない場合であっても、まずは通年性アレルギー性鼻炎など、他の症状を疑った方がいいかもしれません。
鼻水の色を見てみましょう
年中通して透明な鼻水が続く場合は、通年性アレルギー性鼻炎の可能性があります。数は多くありませんが、アレルギー性物質に敏感な子供だと、乳児期から発症することも。日本では、1歳6か月児健診でのアレルギー性鼻炎の有症率が1.5%という報告もあります。
どんなサインがあるの?
アレルギー性鼻炎の症状は、鼻のかゆみ、くしゃみ、水性鼻汁、鼻づまりなどさまざま。鼻をすする様子や、鼻がつまって口だけで呼吸している様子が現れたら、それはサインかもしれません。時には、鼻や目をこすったり、顔をしかめたりすることも。放っておくと鼻を触りすぎて、鼻出血を繰り返す子供もいます。涙目になったり、目や鼻の周りが赤くなったりすることもサインの一つです。
アレルギー以外の原因も
鼻水が続く場合、急性鼻炎や副鼻腔炎の可能性もあります。やはり鼻水の色に注意してみてましょう。黄色や緑色のネバっとした鼻水であれば、細菌感染による副鼻腔炎かもしれません。透明な場合は、アレルギー性鼻炎以外にウイルス性上気道炎〈感冒)の可能性も。また、ごくまれですが、鼻の中に異物や他の病気が隠れているということもあります。いずれにしても鼻水が止まらないときは、まず耳鼻咽喉科などで診察をしてもらいましょう。
自分で鼻をかめない赤ちゃんには……
鼻水や鼻づまりをそのままにしておくことは、あまりよくありません。鼻水には細菌や病原体、炎症を引き起こす物質が含まれているからです。放っておくと、中耳炎や副鼻腔炎の原因になることもあります。
それに赤ちゃんは、鼻がつまると呼吸がうまくできません。自分で鼻をかめないので、親御さんが吸引してあげましょう。でも、お子さんの鼻を直接口で吸うことは、二次感染の危険がありますので避けてください。
鼻水の吸引には、さまざまな器具が市販されています。ちょっと値が張りますが、電動式の据え置き型の吸引器が使いやすいでしょう。
大きくなってきたら、鼻をかむ練習を
お子さんが自分で色々できるようになってきたら、一緒に鼻をかむ練習をするのもよいでしょう。慣れないうちのポイントは、鼻の片方ずつをゆっくりかむように。鼻水をすすったり、両方の鼻を一度に力いっぱいかむことも避けたいです。
●鼻をかむ練習の例
①ティッシュペーパーを短冊にさく。
②短冊を口の前にたらし、口で吹いて動かす。
③同じように短冊を鼻の前に。口を閉じて片方の鼻を指でふさぎ、もう片方から息を出して短冊を動かす。
アレルギー性鼻炎の場合、適切な医薬品等による治療を受けることで症状が軽くなることもあります。鼻水のサインに気付いたら、まずは早めに病院を受診しみましょう。
参考
【東京都アレルギー情報navi.】
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/allergy/knowledge/rhinitis_etc.html#title
【保健指導の手引き(P38-41)】
https://allergyportal.jp/wp/wp-content/themes/allergyportal/assets/pdf/tebiki-1_1.pdf